実際に炭を入れた当初は、炭の分極による静電引力(クーロン力)によって汚染物質が除去され、作物は良い成績を出すことができた。
しかしそうした良好な土壌環境(水、空気の吸収浄化)は長く続かず、どんどんと使えば使う程、炭が周りの汚れを全部吸って汚染されてしまった。
当時は、炭の理論的な認識が希薄で、完全に炭素化されていない炭が沢山使われており、いわゆる燻炭というより材木に近い炭を使用した人も大勢いたため、土のなかにカビが生えて、どうにもならない状態になった人が大勢いたのだった。
こうして、最初は炭を使いすぎるという失敗から始まった。
しかしこの方法は持続することができず、藤沢氏や他の農場も、4~5年で成績がだんだん悪化し、最後にはミカン園もほとんど実がならなくなってしまう程、ひどい状態に荒れてしまった。
失敗の原因を試行錯誤しする中で、活性炭は炭素化率が非常に高くなければいけないことや、炭が多孔質で、カップ型なるが故に汚物を溜め込んでしまう(上水道関係の沈澱槽などで活性炭の濾過槽を使っても、数回くぐらせると吸収が飽和状態になり再生処理しなければ使えない)という活性炭の限界に気がつく。
そこで、何としても、貫通型の活性炭はできないものかと考えた。 植物繊維である限り、樹液が通る導管は存在し、導管内の樹液を分解気化させてしまえば、穴が空くのではないかと考え、装置を新しく開発し、その開発期間は10年にわたった。ついに貫通型の超活性炭が完成し、周りにPEXパウダーという形で提供することとなる。
今日の状況では、今までの活性炭との違いは証明されつつある。
例えば、10年間にわたるゴルフ場の芝の観察記録では、芝は枯れることなく、ますます根が伸び、根の深さは約20cmになっている(普通は5~6cm)。
普通の芝は4~5年で寿命を迎えるが、これが10年たっても劣化どころか、益々芝が勢いを増しているので、少なくとも10年間は貫通型活性炭の効果が保障できたというのが今の段階である。